【Interview】『ソレイユのこどもたち』奥谷洋一郎監督インタビュー
2012年に公開され注目された『ニッポンの、みせものやさん』の奥谷洋一郎監督の新作『ソレイユのこどもたち』が全国各地の映画館で公開されている。2011年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に出品されアジア千波万波部門で特別賞
【Review】わたしはタイには行かない――映画『リトル・ファイター』 text 鈴木並木
見たくない。でも見たい。贅沢で倒錯したこの欲望が、ドキュメンタリーの需要のある一定部分を支えていることは、わざわざ指摘するまでもない。戦争の悲惨さ。郊外の空洞化。権力の横暴。現代の混迷。家庭内暴力。人種差別。就職難。心の
【Report】90歳のジョナス・メカスを追いかけて 第3回(最終回)~ロンドン編~ text 小山さなえ
~新作『ある幸せな男の人生の未公開シーン/Out-Takes from the Life of a Happy Man』 ロンドンの中心部、ハイド・パークとケンジントン公園の中間にある、現代美術ファンに人気の「サーペン
【Report】全州国際映画祭で観たドキュメンタリー作品 text 岩鼻通明
今年も全州国際映画祭に参加してきた。4月24日の夜にソウルへ到着。翌25日は、あのヤン・イクチュン監督の『息もできない』の独立映画動員記録を塗り替えたという劇映画『チスル』(済州島方言で「じゃがいも」の意味)を鑑賞。韓国
【Review】<ロバート・キャパ>とスペイン内戦の真実――『メキシカン・スーツケース』 text 藤田修平
2013年1月、横浜美術館で始まった写真展「ロバート・キャパ/ゲルダ・タロー 二人の写真家」では、「ロバート・キャパ」という名前が彼の恋人であったゲルダ・タローと共同で使用された架空の人物名(ペンネーム)であったことを前
【Review】若き日の黒澤明の窮迫――堀川弘道著『評伝 黒澤明』 text 指田文夫
黒澤明が20歳前後の頃、プロレタリア美術運動に参加していたことは有名だろう。自伝『蝦蟇の油』でも、1929年19歳の時に「世の激動をよそに、静物や風景画を描いているのに、あきたらなくなってプロレタリア美術同盟へ」入ったと
【投稿】佐安対談 第一回『平野勝之鬼畜大特集』によせて text 佐藤健人・安田哲
2年前、女優・林由美香との壮絶な関係をドキュメンタリー映画『監督失格』に描いた平野勝之。彼のフィルモグラフィーを遡る特集上映が今週末、渋谷・アップリンクで開催される。映像作家・平野勝之の印象は、彼の作品と出会った時期によ
【Interview】『標的の村』三上智恵監督インタビュー
2012年秋、米軍普天間基地に新型輸送機オスプレイが初めて配備されたことは、多くの人が記憶に新しいだろう。しかし、そこに至るまでにどれだけ粘り強い反対があり、住民と軍・県警との間に激しい衝突があったか。沖縄以外に住む大部
【Book】ベストセラーの『永遠の0』を読んでみました text 小室準一
7月20日公開の宮崎駿監督の新作『風立ちぬ』。 実在の人物、堀越二郎をモデルにその半生を描いています。堀越二郎は航空機の設計者、あの「ゼロ戦」の設計者です。なぜ、今、「ゼロ戦」の堀越二郎なのでしょうか。 そして今年の12
【Review】「アイロニーに満ちたエロスとタナトスの映画作家、ドナルド・リチーを追悼する」 text 越後谷研
1 「セックスとは小さな死である」という言い回しがある。フランスあたりが起源の俗語で、性行為によってもたらされる恍惚状態が死に近いということから出た、比喩表現だという。次のような映画を見たとき、私の頭に即座に浮かんだのが
【Interview】『ひろしま 石内都・遺されたものたち』 リンダ・ホーグランド監督インタビュー text 萩野亮
7/20(土)より東京神田・岩波ホールでは、安保闘争をアーティストの視点から斬新に描いた前作『ANPO』(2010)で話題となったリンダ・ホーグランド監督の新作『ひろしま 石内都・遺されたものたち』(2012)が、同じく
【はじめての小川紳介 特集③】 ドキュメンタリストの眼⑥全長版 大津幸四郎 text 金子遊
大津幸四郎はドキュメンタリー界を代表するカメラマンである。岩波映画製作所の助手時代を経て、映画監督の小川紳介と組んで『圧殺の森』や『日本解放戦線 三里塚の夏』といった不朽の政治映画を撮り、土本典昭の「水俣シリーズ」の撮影
【はじめての小川紳介 特集②】存在し得ない義人たちの連帯(完全版)―山形での小川紳介― text 阿部・マーク・ノーネス
以下の原稿は日本のドキュメンタリー映画史・特に小川プロを研究している阿部・マーク・ノーネス氏(ミシガン大学教授)が『neoneo 02』用に寄稿してくださった原稿です。雑誌(p70に掲載)では文字数の都合で一部割愛せざる
【はじめての小川紳介 特集①】小川紳介レトロスペクティブ in ニューヨーク text 溝口尚美
2013年6月7日〜18日。 “The Films of Shinsuke Ogawa “と題し、小川紳介監督の13作品と、彼に関連する映画3作品が、ニューヨークのアンソロジー・フィルム・アーカイブス(*1)のレトロスペ
【投稿】2つの「フタバ」から見えるもの―― 似て非なるそのアプローチ text 正木斗周
311以降の福島県双葉郡双葉町を描いた映像作品は、テレビ放送も含め、何本かあるようだ。ここでは、そのうち『フタバから遠く離れて NuclearNation』(舩橋淳監督)と『原発の町を追われて~避難民・双葉町の記録』(制
【Report】90歳のジョナス・メカスを追いかけて 第2回(全3回)~パリ・後編~ text 小山さなえ
2012年12月15日(土)にパリ、ポンピドゥー・センターで開催された「往復書簡」特集上映のイベント「ジョナス・メカス×ホセ・ルイス・ゲリン対談(Q&A)」。新旧を代表する気鋭の映画作家による映画への愛が熱く語られた貴重
【Review】「東北」を移動する記録映画〈ロードムーヴィー〉酒井耕&濱口竜介「東北記録映画三部作」 text 岩崎孝正
『なみのおと』 濱口竜介&酒井耕監督の『なみのおと』『なみのこえ』(新地町、気仙沼)『うたうひと』は、8時間にわたる記録映画だ。『なみのおと』は岩手県宮古市田老から福島県の相馬郡新地町、『なみのこえ』は相馬郡新地町と宮城
【Book】テレビ・ジャーナリズムの切実な「危機」を訴える『テレビはなぜおかしくなったのか』text 細見葉介
テレビのニュースやドキュメンタリーを見ていて、「おかしい」と感じる幾ばくかの疑問の正体を解ていく。とりわけ311以降のテレビにおいて、何が報じられず、何が歪められたか———原発事故、生
【Report & Interview】ゆふいん文化・記録映画祭~地方の映画祭の可能性を探る~ text 藤田修平
温泉で有名な大分県由布市の由布院盆地には二つの映画祭が存在する。ひとつは湯布院映画祭。日本で最初の地方の映画祭であり、1976年の誕生以来、37年の長い歴史を誇り、毎年、夏になると全国から映画(邦画)ファンが集まり、映画
【リレー連載】ワールドワイドNOW増刊号★大阪&香港発/大阪~香港2013春季電影祭つれづれノート ~シネマクロスオーバーの現場を訪ねて text 香猫
|3/17[sun]day スプリング・フィーバー(花粉+黄砂?)に足止めをされ、辛くもたどり着いた最終日の大阪アジアン映画祭。そしてこの日は香港国際映画祭の初日でもあった。映画祭に駆けつけるモチベーションはやはり作品+
【Review】選挙ドキュメンタリーという現象~『選挙2』『映画「立候補」』『ムネオイズム~愛と狂騒の13日間~』に寄せて~ text 夏目深雪
59%と戦後最低の投票率、安倍晋三率いる自民党圧勝と、これが本当に3.11後の日本で起きたことなのかと我が目を疑わざるを得なかった昨年末の衆議院選挙結果。参院選を来月に控えたこの6月、選挙に関するドキュメンタリーが3本公
【Eassy】誰かにとってのラーメン(前編)- 映画『ラーメンより大切なもの』によせて text 髙橋亮介
フジテレビの『ザ・ノンフィクション』で旧・東池袋大勝軒を取材し、放送されたものの集大成となるこの映画。僕のように本放送をリアルタイムで見てきた人や、長い行列に並んだファンであれば大体の流れは既に知っているかもしれないが、