Author Archives: neoneoweb2017

【Report】周到に仕組まれた驚き——IFF2017 ミヒャエル・グラヴォガー『無題』 text 早川由真

それほど期待して観始めたわけではなかった。日本においてほとんど紹介されていないミヒャエル・グラヴォガーという名前に対し、いきなりその遺作から接するという躊躇もあった。グラヴォガーはオーストリアの映画作家であり、近年『パラ

【News】いよいよ5/31まで。クラウドファンディング実施中!映画『毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル』(関口祐加監督)完成応援プロジェクト

認知症最終ステージの母の看取りをどうする!?関口監督の新たなクエスト(探求)が始まります。『毎アル』シリーズ完結編となる最新作『 毎日がアルツハイマー ザ・ファイナル』完成のためにぜひご協力ください!5/31まで クラウ

【News】5/20〜公開一周年記念・三週間限定アンコール上映決定! 『ふたりの桃源郷 』@ポレポレ東中野

『ふたりの桃源郷』より©山口放送このたび、2016 年5 月に山口県のローカルTV 局《山口放送》が開局60 周年を記念して制作・公開した 『ふたりの桃源郷』が、公開から1 年を迎えることを記念し、はじめの公開館である東

【連載】「ポルトガル・食と映画の旅」第7回 フォンタイーニャスを探して text 福間恵子

ポルトガル、食と映画の旅第7回 フォンタイーニャスを探して<前回 第6回 はこちら>ペドロ・コスタの作品を初めて観たのは、2004年3月のアテネフランセでの特集上映だった。『ヴァンダの部屋』(2000)が劇場公開されるの

【News】10/31まで「映画評論大賞2017」原稿募集!

neoneoは未来の映画批評の担い手を応援します「映画評論大賞2017」原稿募集映画評論・批評の書き手を発掘して、執筆の場を提供し、本格派を育成します!【応募要項】□原稿 映画に関する日本語の評論文(作家論、作品論、横断

【Review】カメラからのまなざし、カメラへのまなざしーー映画『トトとふたりの姉』text 菊井崇史

10歳の少年トトとふたりの姉、14歳のアンドレアと17歳のアナは、ルーマニアの首都ブカレスト郊外のスラム街一角、水道もコンロもないワンルームに暮らしている。両親は不在だ。母ペトラは麻薬売買の罪で服役中であり、トトにとって

【Interview】メイシネマ祭の原点を語ろう〜主催者・藤崎和喜さん(5/3−5開催)

毎年、5月の連休中になると東京の下町、江戸川区の公民館で〈メイシネマ祭〉が行われます。小岩でガスとガス機器の販売をされている藤崎和喜さんが一人で始められ、ドキュメンタリー映画のファン、地域の人たち、また映画関係者の支持を

【News】ウルリヒ・ザイドル監督 最新作『SAFARI』(原題)2018年初春全国劇場公開決定!

オーストリアの鬼才・ウルリヒ・ザイドル監督の最新作『SAFARI』(原題)の日本劇場公開が決定した。本作品は、アフリカで一部の狩猟ファンの間で密かに流行している、野生動物を狩猟する、トロフィー・ハンティングに密着したドキ

【自作を語る】岩手県大槌町の風景を記録した映画『ちかくてとおい』 text 大久保愉伊 

13年12月、姪が産まれました。震災により大きな喪失を感じていた私にとって、彼女が生まれたことは、震災後最も嬉しい出来事の一つでした。小さな手足をばたつかせたり、ぐっすり眠る姪の姿。そんな姪の姿を見ながら、故郷大槌で生き

【News】4/29(土)〜5/7(日) 第1回 両国シネマ天丼2017

下町・両国を舞台に新しい映画祭がスタートします。その名も「両国シネマ天丼」!第1回のプログラム・ディレクターとして映画作家・宮岡秀行を迎えます。ドキュメンタリー映画は、どん(貪)欲に被写体に接近しながら、あるところで「反

【Book】私たちが新しく手に入れたガイドブック 『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』(西村智弘・金子遊 編) text 野村建太

幸運なことに、本書『アメリカン・アヴァンガルド・ムーヴィ』で取り上げられた作品の多くを、これまでに見る機会があった。東京でジョナス・メカスの作品が上映されれば可能な限り足を運んだが、いつも会場はそれなりに混み合っていたこ

【News】ゲスト来日につき緊急決定!4/27 カンボジアのドキュメンタリー上映&トーク@下北沢アレイホール

カンボジアの現代史、特にポルポト政権下の暮らしを描いた映画は少なくなく、今年もアンジェリーナ・ジョリー監督の『First They Killed My Father』がNetflixで公開になる。ところで、現地カンボジア

【連載】開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 第46話、第47話

1990年頃の筆者(撮影:柴 洋子)開拓者(フロンティア)たちの肖像〜 中野理惠 すきな映画を仕事にして 前回(第44話 第45話)はこちら第46話 発行した3冊の書籍のこと母の一言「まっ、いいカオしているから大丈夫だろ

【News】4/15(土)〜21(金) 優れたドキュメンタリー映画を観る会 vol.33 @下高井戸シネマ

優れたドキュメンタリー映画を観る会 vol.33“夏の嵐のあとに” かけがえのない人生で、それぞれの命が輝いている。命に優劣なんて、ない。 優れたドキュメンタリー映画を観る会・飯田光代(ピカフィル

【Review】郷愁から遠く離れて――富田克也監督『バンコクナイツ』text 若林良

まず、「地方」ということばについて、それが何をしめしているか、その内包する意味について考えてみたい。そもそも、「地方」と口にするとき、わたしたちは何を求めているのだろうか(ここでの「わたしたち」とは、関東付近の在住者を包

【連載】ポルトガル、食と映画の旅 第6回 ミーニョの旅の実り text 福間恵子

地方名は、大文字アルファベット・赤字で記しました。ポルトガル、食と映画の旅第6回 ミーニョの旅の実り2005年2月から3月にかけて、2週間の旅程で北部ミーニョ地方(Minho)をひとりで訪ねた。ミーニョは、リスボンに次ぐ

【News】映画『きらめく拍手の音』がバリアフリー字幕製作のためのクラウドファンディングを実施中!

クラウドファンディング・プラットフォーム「Motion Gallery」にて、 映画『きらめく拍手の音』がバリアフリー字幕版製作の支援を募集するクラウドファンディングを実施しています。目標金額は50万円。2017年4月2

【Report】なぜかれは赤の裃で登場したか――「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリーatポレポレ坐」vol.3 text 萩野亮

鬼太鼓座の和太鼓の轟きとともに、赤鬼の面をかぶってワカキコースケは入場してきた。本誌「neoneo web」で連載中の「ワカキコースケのDIG! 聴くメンタリー」のイベント版、第3回。この日は2月4日、節分の翌日というわ

【連載】「ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー」第24回 『LENIN SPEECHES RECORDED 1919-1921』

1917年、ロシア革命が起こる。指導者レーニンは帝政を打倒した後も、精力的に演説をレコードに吹き込んでいた。これこそ、まさに歴史的録音。赤いレコードを埼玉で見つけた廃盤アナログレコードの「その他」ジャンルから、ドキュメン

【Review】鮮やかな手さばき〜小森はるか監督『息の跡』text 長谷部友子

東日本大震災から6年が経つ。震災について多くの人が様々なことを言ったが、私は未だその言葉を素直に聞けずにいる。喪失の悲しみ、原発や政府への批判、利権をめぐる言説、時が経つにつれ被災者を非難する言葉があり、また被災地を離れ

【Review】イメージを<経る> 七里圭監督『アナザサイド サロメの娘 remix』 text 永井里佳子

映画を音から作ったらどうなるか―「光も音も同じメディアに情報として記録されるようになった今、映像からサウンドトラックを意識的に引き離し、同期することを体験してみよう」(1)というコンセプトによる一夜限りのライブ上演『映画

【Interview】街とともにある「たね屋さん」の記録〜『息の跡』小森はるか監督

『息の跡』は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で「たね屋」を営む佐藤貞一さんの物語だ。津波で流された店舗を自力でプレハブを組み復活させ、英語や中国語を独学で学んでは、被災の手記を外国語で出版する。震災後に