Author Archives: neoneoweb2017

【Interview】『観ずに死ねるか!傑作ドキュメンタリー88』編集者・尾形誠規さんインタビュー

 『neoneo 02』と期を同じくして発売されたこの一冊の本に、私は正直、やられた!と思った。表紙のインパクトもさることながら、中身がとにかく面白い。執筆者たちが実に生き生きと、自分本位に作品への思いを語っている。この

【自作を語る】カネミ油症の被害者たちに出あって―『食卓の肖像』制作記 text 金子サトシ

皆さんは、「カネミ油症事件」をご存知でしょうか。1968年、福岡、長崎をはじめ、西日本一帯で、カネミ倉庫株式会社が製造した食用油、「カネミライスオイル」を食した人たちが様々な健康被害を訴えたものです。被害者数は実態調査自

『neoneo02』における一部訂正

  『neoneo02』お買い求めの皆様 この度は、雑誌『neoneo02』をご購入くださいまして、誠にありがとうございます。大変恐縮ながら、本文中に一部訂正がありますので、以下にお知らせさせていただきます。

【自作を語る】『異国に生きる 日本の中のビルマ人』 text 土井敏邦 (監督)

長年、パレスチナを追いかけてきた私が、「在日ビルマ人」を追うことを思い立ったのは、1988年8月のビルマ民主化運動から10周年迎える1998年の夏だった。遠い異国・日本で祖国の民主化のために闘い続けている青年たちの姿に、

【Review】福島(フクシマ)から長崎(ナガサキ)へ――映画『夏の祈り』を観る text 岩崎孝正

 1945年8月9日午前11時2分、太陽のような明るい光はあたりをつつんで一つの街が吹きとんだ。熱線と爆風は数㎞におよび、病院、橋梁、家屋をはじめ先人の築いた英知は一瞬で姿を消した。長崎県松山町の土地の者は故郷を失い、亡

【info】写真家・石川梵氏をゲストに迎えて対話を―「Refocus Project」3/24

Refocus Project 「祈りと勁さ(つよさ)とー写真家 石川梵ー」       写真家、ジャーナリスト、ドキュメンタリー映画監督の眼差しに触れて対話する場、 Refocus Pro

【Interview】『長嶺ヤス子 裸足のフラメンコ』 大宮浩一監督インタビュー

まず、完全に手前味噌な話から。『ただいま それぞれの居場所』のマスコミ試写が始まった2010年春。レギュラーで参加していた「映画芸術DIARY」の編集者と、「やんわりした介護福祉もののようで、なにかもうヒトクセあるよね」

【Review】本人になるための旅 『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』text 鈴木並木

もらった試写の案内を眺めていて、「出演」の欄を思わず二度見する。いわく、「ニール・ショーン(本人)/ジョナサン・ケイン(本人)/ロス・ヴァロリー(本人)/ディーン・カストロノヴォ(本人)/アーネル・ピネダ(本人)」。「本

【Magazine】「neoneo」#02 特集「原発とドキュメンタリー」& 「21 年目の不在 小川紳介トライアングル」

neoneo #02(2013年Spring)特集「原発とドキュメンタリー」小特集「21年目の不在:小川紳介トライアングル」 巻頭写真構成+インタビュー:武田慎平座談会:舩橋淳+藤原敏史+松林要樹+瀬々敬久連載:春田実・

【リレー連載】列島通信★東京/沖縄発 text 濱治佳

いつもお題は特に与えられずに、思うままに書きなさい、と自由に書かせていただいている本欄だが、何が根本的な理由なのかは、自分自身でも不可解なのだが、まったく言葉を紡ぐことができないまま月日が経ってしまった。いつもどこかで書

【Report】映画『遺体 明日への十日間』石井光太(原作)×君塚良一(監督・脚本) 対談

  “僕たち”が『遺体』を通して本当に伝えたかったこと  東日本大震災から2年――。死者・行方不明者・負傷者の数は合計2万人を超え、津波による壊滅的な被害、それに伴う原発事故の収束はいまだ見通しが立っておらず、

【Review】フジテレビNONFIX『原発アイドル』クロスレビュー text 青木ポンチ/小林和貴

「居心地の悪さ」を写し出す少女たち             青木ポンチ テレビの深夜ドキュメンタリーの情報は、少ない。よほどアンテナでも張っていないかぎり、普通は見逃してしまう。だが時折、他の時間ではお目にかかれないよう

【Roundtable】災後の舞台表現をめぐって――フェスティバル/トーキョー12 text 九龍ジョー × 夏目深雪 × 萩野亮

カタストロフに向き合う 萩野 きょうはお集まりいただきありがとうございます。今回は夏目さんよりご提案をいただき、昨年10/27から11/25にわたって開催されたフェスティバル/トーキョー(F/T)12をめぐって自由に議論

【ドキュメンタリストの眼⑤】 岩佐寿弥監督インタビュー(後編) text 金子遊

neoneo編集委員の金子遊が、この列島を代表するドキュメンタリストにロング・インタビューを試みるシリーズ。2012年に新作映画『オロ』が全国で劇場公開され、『ねじ式映画―私は女優?―』(69)、『叛軍No.4』(72)

【Book】 評論は夜空に星座を描くように:書評『日本映画オルタナティブ』 text 杉本穂高

  ■はじめに 2012年は、日本映画の興行収入が過去最高となりました。肌感覚ではあまり実感はなかったのですが、実は2012年日本映画はおおいに盛り上がっていたのですね。 ◆朝日新聞デジタル:邦画大躍進 過去最高のシェア

【info】東京ELECTROCK STAIRS 新作公演 <始まりのマーチを待っていた>3/8~10

    東京ELECTROCK STAIRS 新作公演 <始まりのマーチを待っていた>3/8(金)~10(日) at 森下スタジオ(Cスタジオ)   振付・演出/音楽 KENTARO!!出演 横山彰乃 高橋萌登

【News】Image.Fukushima vol.9 映画と紡ぐ、春の七夜 IN 東京 オーディトリウム渋谷

Image.Fukushimaは「福島」について、「福島以後」の未来についての「知見」を交換し、「イメージ」を分かち合う、そのような場を作るための映画上映&トークプロジェクトです。震災の後、おもに福島・東京・金沢の三都市

【News】『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとを呼ぶ』

1980年5月、韓国・光州の11日間を描いた版画集『光州「五月連作版画―夜明け」ひとがひとを呼ぶ』全国書店にて発売中火花はあでやかに咲いた勇敢な心臓がわたしに自分の願いをささげる火花は夜っぴて壁をこえた暗い夜の海で失踪し

【Info】第16回ゆふいん文化・記録映画祭「松川賞」作品募集中!4月10日〆切

  今年もやります!「第16回ゆふいん文化・記録映画祭」。開催は、2013年6月28日~30日の3日間です。「ゆふいん文化・記録映画祭」は、九州・由布院盆地の小さな映画祭です。公民館を舞台に映画の上映とトークを

【Review】「MU[無]—ペドロ・コスタ & ルイ・シャフェス」展 text 成澤智美

洋風の私邸を改築して作られた美術館、原美術館にて、「MU[無]—ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」展が開催されている。 ドキュメンタリーとフィクションの境界領域を泳ぐ映画監督ペドロ・コスタと鉄を素材に表現の可能性

【Review】「観客は安全ではいられない——『ステップ・メモリーズ 抑圧されたものの帰還』」 text 中村のり子

西巣鴨にある、閉校した中学校をそのまま活用したイベント会場に到着すると、校舎の正面に見慣れない大きなポスターが掲げてあった。校庭には大きな穴が掘られていて、作業中のような雰囲気である。今日の上演とは別に、何かのプロジェク

【Review】『ひかりのおと』(山崎樹一郎監督)text 小林耕二

  『ひかりのおと』は劇映画である。しかし監督の山崎樹一郎が岡山県に移住し、農業を営みながら本作を撮影していることや、完成した映画が、岡山県内をくまなく巡回上映していることなどは、東京に住むneoneo編集室のメンバー周