【Interview】『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』 齊藤潤一監督インタビュー

今井正の『真昼の暗黒』(56)以来、戦後の日本映画は、冤罪の存在を広く知らしめ、組織優先の精神構造へ疑義を呈することを重要な役割のひとつとしてきた。冤罪事件を扱う作品が継続的に生まれることで、娯楽産業のなかにある精神の健

【特集】発表!わが一押しのドキュメンタリー2012 

まずは結果をご覧いただきたい。二十数名の投票いただいた方、全員が違う作品を押している。 この結果は、ドキュメンタリーの多様性の現れとも言えるし、あるいは2012年は傑出した作品が無かった、と言えるのかもしれない。いずれに

【Inerview】山崎裕に聞く 三木茂さんのこと/座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルのこと text 佐藤寛朗

2月7日から開催される『第4回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル』。 この映画祭のプログラム・ディレクターは山崎裕。neoneoの読者には、是枝裕和・河瀨直美らの作品のカメラマンとして、あるいは『トルソ』(201

【info】2/7〜11 第4回・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル

テレビ、映画を問わずドキュメンタリーの魅力を発見、発信する『座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル』が今年も開催されます。今年は新たな取り組みとして、特集上映のほかシンポジウムなどにも挑戦することになりました。 【開催

【Report】『愛のゆくえ(仮)』 上祐史浩(「ひかりの輪」代表)×木村文洋監督 トーク

『愛のゆくえ(仮)』は、「犯罪者を美化するな」「映画化など不謹慎」という一句のもとに、公開前からひどく叩かれた映画だった。観ていない作品の存在自体を否定する。映画にして考えること自体を否定する。あまりにそういう声が多い結

【Info】七里圭監督作品『DUBHOUSE:物質試行52』 2/2(土)より 緊急アンコール上映!!

ロッテルダム国際映画祭招待記念!『DUBHOUSE:物質試行52』 緊急アンコール上映のご案内 この度、七里圭監督の最新短編作品『DUBHOUSE:物質試行52』[※共同監督:鈴木了二(建築家)]が、1月23 日より開催

【Review】『さなぎ〜学校に行きたくない〜』(三浦淳子監督)text 中村のり子

南信州の豊かな自然の中を駆けめぐる一人の少女。まるで物語のようなシーンから、作り手と登場人物との交友録は始まる。はじめはどこか心許なく、感情の見えにくかった主人公・木下愛ちゃんが、年を重ねるごとにだんだんと頼もしい顔つき

【info】『阿賀に生きる』アンコール、『阿賀の記憶』ニュープリント上映

昨年、20年ぶりにリバイバル上映を果たし、大好評を博した『阿賀に生きる』(佐藤真監督 1992)が、1月19日(土)より東京・ユーロスペースにて、再びアンコール上映される。 今回は『阿賀に生きる』の10年後に撮られた、記

【Info】学生プロデュースによる映画上映会「film for smile」 2/10(日)

Vantan 学生プロデュース上映会 学生が映画で提案する、未来に必要な教育film for smile ~ぼくたちが考えるこれからの教育~   2013年2月10日(日) 世田谷ものづくり学校にて開催   バ

【Monograph】地域映画と映像教育の文化史 第1回 藤川治水と熊本映画サークル運動(1)text 佐野亨

藤川治水と熊本映画サークル運動(1) 本稿は、2009年9月刊行の「シネリテラシー vol.1 映像文化の未来を考える」(日本映画学校監修・早美出版社)に掲載された文章に、2012年11月以降、加筆修正を施したものである

【Review】『このショットを見よ』フィルムアート社編集部編 text 村松健太郎

映画を構成する最小単位であるショット。そこに心血を注ぐ日本映画界を代表する監督29名が、自作を俎上に上げて計算に計算を重ねながらも起きる想定外、完全にして偶然の産物である“決定的ショット” との出会いや、製作プロセス・そ

【Info】1/14(月)緊急開催*シンポジウム「ミニシアターで考えるデジタルシネマについて」

映画上映のデジタル化が焦眉の問題として浮かび上がっているなか、来たる1月14日(月)、ユーロスペースでは「ミニシアターで考えるデジタルシネマについて」と題したシンポジウムが緊急開催される。ミニシアターにおいても映画の上映

【Info】名古屋シアターカフェ 世界の短編ドキュメンタリー上映 1/26~2/1

名古屋シアターカフェ世界の短編映画 The World According To Shorts ドキュメンタリー編   世界の短編映画を紹介する好評シリーズ第4弾は、ドキュメンタリー編。出張先のニューヨークで合

【Interview】『はちみつ色のユン』 ユン監督インタビュー

12月22日よりポレポレ東中野と下北沢トリウッドでロードショーが始まった『はちみつ色のユン』。この作品を愛する観客が現在、着実に増えている。国際養子縁組で韓国からベルギー人の家庭に引き取られた少年が、人種の差異のなかで自

【新年のごあいさつ】neoneo編集室より  

新年のごあいさつ 迎春 2013年 元旦 昨年は『neoneo web』 をご愛読くださり、誠にありがとうございました。みなさまのお力添えで、メールマガジン「neoneo」からwebサイト「neoneo web」、および

【Review】『ラブ沖縄@辺野古・高江・普天間』(藤本幸久・影山あさ子共同監督) text 徳田匡

1995年の米兵による少女レイプ事件をキッカケとする沖縄の怒りに対する鎮静剤として登場した「普天間基地閉鎖」のニュース。しかしそれは、沖縄本島北部の辺野古地区への新基地建設を前提としていた。さらに、この辺野古新基地計画は

【Review】「特別でない」ことこそが――『はちみつ色のユン』 text 土居伸彰

世の中には様々な種類の事実が存在して、それがドキュメントとして記録されていくやり方も色々ある。近年隆盛のアニメーション・ドキュメンタリーはその新たな候補として登場したもので、それが捉える事実は、どちらかというとあまり定ま

【Report】「メモリー」そして「メモリー・プロジェクト」記憶と記録を巡る問い ~『カメラが開く記憶の扉 中国ドキュメンタリー映画の試み』第二部レポート ~ text久保田桂子

■   文彗と呉文光のパフォーマンス「メモリー」との出会い  神奈川大学で行われた講演会『カメラが開く記憶の扉 中国ドキュメンタリー映画の試み』の会場である講義室の最前列には、カーキのシャツを着た大柄の呉文光(ウー・ウェ

【特別寄稿】映画のデジタル化について――『サイド・バイ・サイド』から考える text 渡邉大輔

キアヌ・リーヴスが企画製作を務め、クリス・ケニーリーが監督した『サイド・バイ・サイド――フィルムからデジタルシネマへ』(Side by Side-The Science, Art and Impact of Digita

【Info】12/22(土)23(日)、渋谷アップリンクにて『サイド・バイ・サイド』公開記念イベント開催!

今、映画業界全体で急速に進むデジタル革命を大ヒット作を製作する巨匠たちが語るドキュメンタリーキアヌ・リーブス製作によるデジタルシネマの未来   町の人々や映画館主が声を上げ、各地で募金によるデジタル上映機材導入

【Report】『愛について、ある土曜日の面会室』一般試写会トーク

ドキュメンタリー専門媒体である本サイトでも、劇映画を取り上げていきたいと考えている。例えば、ドキュメント性とフィクションが切り結んだ緊張感を有しているものだ。12月15日から公開されるフランス映画『愛について、ある土曜日

【連載 二丁目のエランヴィタール④】鈴木志郎康『日没の印象』text 若木康輔

♯4 『日没の印象』 2012年1月 インターネットの動画で   映画作家・原将人の家でビデオ作品『百代の過客』の梱包と発送を手伝った1993年の年末。鈴木志郎康の宛名と住所を書くだけで緊張した。遠い別世界のひ