【Interview】その男、人間か妖怪か~36歳、独身契約社員が抱く「超・途方もない夢」―『加藤くんからのメッセージ』綿毛監督、“主演”加藤志異氏インタビュー

12月6日より、東京・シアター・イメージフォーラムである1本の映画がレイトショー公開されている。病院夜勤事務の契約社員として働く加藤志異氏(当時36歳)を追った、『加藤くんからのメッセージ』だ。加藤氏は早稲田大学を、中退

【発売中】ドキュメンタリーマガジン『neoneo』#04 特集「永久保存版 テレビ・ドキュメンタリーの60年」 「生誕130年 ロバート・フラハティ」

neoneo #04 [2014 Winter] 特集ⅰ「永久保存版 テレビ・ドキュメンタリーの60年」特集ⅱ「生誕130年 ドキュメンタリー映画の父 ロバート・フラハティ」 A5版132ページ 1000円+税ISBN 

【Book Review】高度成長期の東京はどう描かれたかーー『記録映画アーカイブ2 戦後復興から高度成長へ』text 細見葉介

 「東京」という都市を30分弱の映像で表現する−−−−ほとんど実験に近い取り組みが、半世紀前、高度成長期の真ん中の1962年に2人の名監督によって行われていた。 その映像作品と研究を含む書籍が、このほど出版された。『戦後

【追悼 大津幸四郎さん】 巨大な映画人、大津幸四郎さんを悼む text 伏屋博雄

 巨大な映画人、大津幸四郎さんを悼む伏屋博雄(neoneo編集室 元小川プロプロデューサー) 2014年11月28日未明、大津幸四郎さんが肺がんで亡くなった。享年80歳。今年の4月にアテネフランセ文化センターで行われた『

【連載】documentary(s) ドキュメンタリーの複数形 #02「存在と類似――『美味しんぼ』「福島の真実」編を読む」 text 萩野亮

連載再開にあたって 2014年5月から開始したこの連載は、月に一度のペースで発表する予定でいましたが、筆者の健康状態から、半年のながいお休みをいただくことになってしまいました。読者のかたがた、および本誌編集部にふかくおわ

【鼎談】『わたしたちに許された特別な時間の終わり』傑作トーク選 text 太田信吾×若木康輔×金子遊

11月29日から横浜シネマ・ジャック&ベティでの公開がひかえる太田信吾監督のドキュメンタリー映画『わたしたちに許された特別な時間の終わり』。8月のポレポレ東中野における東京公開では、多彩なトークゲストが来場したが、そのな

【連載】ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー 第7回『梵鐘』

  出落ちかと思いきや。これはかなりの本格盤   廃盤アナログレコードの「その他」ジャンルからドキュメンタリーを掘り起こす、「DIG!聴くメンタリー」の時間がやってまいりました。DJはワカキコースケ。今回もみなさんと、し

【連載】原一男のCINEMA塾’95 ③ 深作欣二×原一男×小林佐智子×荻野目慶子×金久美子「エロス篇」  

原一男監督が1995年、山口県萩市で立ち上げた「CINEMA塾」。第1回目のゲストは故・深作欣二監督。「ヴァイオレス篇」「虚構篇」と続いた連続対談の3日目は「エロス篇」だ。『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(監督:深作欣二、94)

【Interview】“人生の時間”を撮るということ——『三里塚に生きる』(大津幸四郎・代島治彦監督)代島治彦監督インタビュー

『三里塚に生きる』(大津幸四郎・代島治彦監督)は、かつて激しい空港建設反対闘争が行われた(今も続いている)成田空港の周辺・三里塚に生きる人々の“今”を描いた映画だ。映画は三里塚に生まれ、四十数年前の激しい闘争で中心的な役

【Interview】農家の人々の気持ちに寄り添える映画作りを目指して——『天に栄える村』原村政樹監督インタビュー 

劇場公開から1年。福島を描いた1本の映画が話題を呼び、現在も全国各地で上映が行われている。原村政樹監督の『天に栄える村』だ。映画の舞台となる福島県天栄村は“里山の風景”がひろがる人口6000人ほどの小さな村だ。村人たちは

【特別寄稿】現代映画と「情報風土」――佐々木友輔『土瀝青 Asphalt』小論 text 渡邉大輔

映像作家・佐々木友輔さんの新作映画『土瀝青 Asphalt』(2013)をめぐる対談・論考集『土瀝青 場所が揺らす映画』が、11月1日、トポフィルより刊行されました。11月22日(土)には、刊行を記念して、石川初氏と沢山

【ゲスト連載】Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論 #09「Brothers(2) / Oblivion/郊外的風景の次の百年に向けて」 image/text 佐々木友輔

Camera-Eye Myth : Episode. 9 Brothers(2) / Oblivion 朗読:菊地裕貴音楽:田中文久主題歌『さよならのうた』作詞・作曲:田中文久歌:植田裕子ヴァイオリン:秋山利奈 ― 郊外

【リレー連載】ワールドワイドNOW★中国発 インディペンデント映画祭全滅の中国、それでも上映は続く text 中山大樹

この原稿を書いている現在、北京ではAPECが開かれている最中である。開催期間中、PM2.5を減らすために交通規制をし、工場の操業を停止させ、治安維持のために大量の人員を動員して警戒している。と同時に、公安のブラックリスト

【Review/Report 】『北朝鮮・素顔の人々』&『金日成のパレード』、そして素顔の北朝鮮 text 小林蓮実

「北朝鮮住民が命がけで撮影したドキュメンタリー」子どもたちの哀切な歌声に何かを感じたら…… 「2000年代中盤、北朝鮮住民が命がけで撮影した映像をもとに制作されたドキュメンタリー」。これが、『北朝鮮・素顔の人々』のキャッ

【Review】方舟と郷愁をめぐって――舩橋淳監督『フタバから遠く離れて 第二部』 text 村松泰聖

閉鎖される避難所 埼玉県加須市、旧騎西高校の校舎がスクリーンに映し出される。 第一部と変わらない避難所の光景、見知った中庭や美術室がそこにあるという事実に私たちは懐かしさを覚えるはずだ。しかし一時は1400人あまりの双葉

【Review】『ミンヨン 倍音の法則』「映像詩」を乗り越えた映画的強度の獲得 text 佐野亨

人生における最初の映像体験がTV番組であるというひとは、もしかすると今後減っていくのかもしれない。インターネット、スマートフォン、タブレット……これらの情報機器が完全に社会のコミュニティツールとして浸透した現在では、自分

【Interview】ドキュメンタリストの眼⑪ 『イラク・チグリスに浮かぶ平和』綿井健陽監督 インタビュー text 金子遊

 綿井健陽さんといえば、2003年のイラク戦争時にバグダッドから中継を続けたジャーナリストとして知られている。この度、綿井さんの2本目のドキュメンタリー映画『イラク チグリスに浮かぶ平和』が公開された。2005年に発表し

【Interview】動画も掲載!和製マイケル・ムーアを目指したら、誰かを糾弾することはできない自分に気づいた ——『無知の知』石田朝也監督インタビュー text 早川由美子

11月1日からポレポレ東中野で公開される映画『無知の知』は、石田朝也監督がひたすら“突撃”する映画だ。3年前の東日本大震災と福島第一原発事故。あの時、何が起きていたのか。首相官邸では?フクイチでは?そして福島の現状は……

【Review】大林宣彦監督『野のなななのか』 生と死の絵画「シネマ・ゲルニカ」という映画作品 text小川学

本作は大林宣彦監督が「映画」という手法を用いて描いた「シネマ・ゲルニカ」という作品である。「ゲルニカ」とはスペインの画家、パブロ・ピカソ(1881~1973)が、1937年の4月にスペイン内戦で無差別空爆を受けた街「ゲル

【Review】庵野秀明論ーエヴァの呪縛・「イメージ」を越えてー(第27回東京国際映画祭 特集「庵野秀明の世界」に寄せて)text 鈴木祐太

 90年代に作られた「庵野秀明」のパブリック・イメージ 「庵野秀明」という語が持つ誘惑は代えがたい。そして庵野秀明ほどイメージが不定型な作家も居ない。『風立ちぬ』(2013.劇場)の主演、『ヱヴァンゲリヲン』シリーズの総

【ゲスト連載】Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論 #08「Brothers(1) / Reset/地域映画の発見」 image/text 佐々木友輔

  Camera-Eye Myth : Episode. 8 Brothers(1) / Reset 朗読:菊地裕貴音楽:田中文久キャラクターデザイン・原画:門眞妙主題歌『さよならのうた』作詞・作曲:田中文久歌

【Review】なぜ、渡り鳥の大群は消えたのか ――『鳥の道を越えて』 text 神原健太朗

まるで、蜘蛛が糸で作った網で、餌となる昆虫を捕らえるかのようだ。「カスミ網猟」と呼ばれる、かつてその村で行われていた鳥猟の手法からそんな印象を受けた。 本作の監督である今井友樹は、岐阜県東白川村で暮らす祖父・今井照夫から