【Interview】『長嶺ヤス子 裸足のフラメンコ』 大宮浩一監督インタビュー
まず、完全に手前味噌な話から。『ただいま それぞれの居場所』のマスコミ試写が始まった2010年春。レギュラーで参加していた「映画芸術DIARY」の編集者と、「やんわりした介護福祉もののようで、なにかもうヒトクセあるよね」
【Review】本人になるための旅 『ジャーニー/ドント・ストップ・ビリーヴィン』text 鈴木並木
もらった試写の案内を眺めていて、「出演」の欄を思わず二度見する。いわく、「ニール・ショーン(本人)/ジョナサン・ケイン(本人)/ロス・ヴァロリー(本人)/ディーン・カストロノヴォ(本人)/アーネル・ピネダ(本人)」。「本
【Magazine】「neoneo」#02 特集「原発とドキュメンタリー」& 「21 年目の不在 小川紳介トライアングル」
neoneo #02(2013年Spring)特集「原発とドキュメンタリー」小特集「21年目の不在:小川紳介トライアングル」 巻頭写真構成+インタビュー:武田慎平座談会:舩橋淳+藤原敏史+松林要樹+瀬々敬久連載:春田実・
【リレー連載】列島通信★東京/沖縄発 text 濱治佳
いつもお題は特に与えられずに、思うままに書きなさい、と自由に書かせていただいている本欄だが、何が根本的な理由なのかは、自分自身でも不可解なのだが、まったく言葉を紡ぐことができないまま月日が経ってしまった。いつもどこかで書
【Report】映画『遺体 明日への十日間』石井光太(原作)×君塚良一(監督・脚本) 対談
“僕たち”が『遺体』を通して本当に伝えたかったこと 東日本大震災から2年――。死者・行方不明者・負傷者の数は合計2万人を超え、津波による壊滅的な被害、それに伴う原発事故の収束はいまだ見通しが立っておらず、
【Review】フジテレビNONFIX『原発アイドル』クロスレビュー text 青木ポンチ/小林和貴
「居心地の悪さ」を写し出す少女たち 青木ポンチ テレビの深夜ドキュメンタリーの情報は、少ない。よほどアンテナでも張っていないかぎり、普通は見逃してしまう。だが時折、他の時間ではお目にかかれないよう
【Roundtable】災後の舞台表現をめぐって――フェスティバル/トーキョー12 text 九龍ジョー × 夏目深雪 × 萩野亮
カタストロフに向き合う 萩野 きょうはお集まりいただきありがとうございます。今回は夏目さんよりご提案をいただき、昨年10/27から11/25にわたって開催されたフェスティバル/トーキョー(F/T)12をめぐって自由に議論
【ドキュメンタリストの眼⑤】 岩佐寿弥監督インタビュー(後編) text 金子遊
neoneo編集委員の金子遊が、この列島を代表するドキュメンタリストにロング・インタビューを試みるシリーズ。2012年に新作映画『オロ』が全国で劇場公開され、『ねじ式映画―私は女優?―』(69)、『叛軍No.4』(72)
【Book】 評論は夜空に星座を描くように:書評『日本映画オルタナティブ』 text 杉本穂高
■はじめに 2012年は、日本映画の興行収入が過去最高となりました。肌感覚ではあまり実感はなかったのですが、実は2012年日本映画はおおいに盛り上がっていたのですね。 ◆朝日新聞デジタル:邦画大躍進 過去最高のシェア
【Review】「MU[無]—ペドロ・コスタ & ルイ・シャフェス」展 text 成澤智美
洋風の私邸を改築して作られた美術館、原美術館にて、「MU[無]—ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」展が開催されている。 ドキュメンタリーとフィクションの境界領域を泳ぐ映画監督ペドロ・コスタと鉄を素材に表現の可能性
【Review】「観客は安全ではいられない——『ステップ・メモリーズ 抑圧されたものの帰還』」 text 中村のり子
西巣鴨にある、閉校した中学校をそのまま活用したイベント会場に到着すると、校舎の正面に見慣れない大きなポスターが掲げてあった。校庭には大きな穴が掘られていて、作業中のような雰囲気である。今日の上演とは別に、何かのプロジェク
【Review】『ひかりのおと』(山崎樹一郎監督)text 小林耕二
『ひかりのおと』は劇映画である。しかし監督の山崎樹一郎が岡山県に移住し、農業を営みながら本作を撮影していることや、完成した映画が、岡山県内をくまなく巡回上映していることなどは、東京に住むneoneo編集室のメンバー周
【Interview】『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』 齊藤潤一監督インタビュー
今井正の『真昼の暗黒』(56)以来、戦後の日本映画は、冤罪の存在を広く知らしめ、組織優先の精神構造へ疑義を呈することを重要な役割のひとつとしてきた。冤罪事件を扱う作品が継続的に生まれることで、娯楽産業のなかにある精神の健
【特集】発表!わが一押しのドキュメンタリー2012
まずは結果をご覧いただきたい。二十数名の投票いただいた方、全員が違う作品を押している。 この結果は、ドキュメンタリーの多様性の現れとも言えるし、あるいは2012年は傑出した作品が無かった、と言えるのかもしれない。いずれに
【記録文学論⑥】姜信子『棄郷ノート』text 中里勇太
「一九九八年八月一〇日。わたしは「故郷」を棄てる旅に出た」。 故郷を棄てる、という衝撃的な宣言からはじまる本書『棄郷ノート』(作品社、2000年)は、作家・姜信子が韓国、上海、満州を巡る旅の記録である。 横浜で生まれ育ち
【Inerview】山崎裕に聞く 三木茂さんのこと/座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルのこと text 佐藤寛朗
2月7日から開催される『第4回 座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバル』。 この映画祭のプログラム・ディレクターは山崎裕。neoneoの読者には、是枝裕和・河瀨直美らの作品のカメラマンとして、あるいは『トルソ』(201
【ドキュメンタリストの眼④】 岩佐寿弥監督インタビュー(前編) text 金子遊
neoneo編集委員の金子遊が、この列島を代表するドキュメンタリストにロング・インタビューを試みるシリーズ。2012年に、新作映画『オロ』が全国で劇場公開されて、『ねじ式映画―私は女優?―』(69)、『叛軍No.4』(7
【Report】『愛のゆくえ(仮)』 上祐史浩(「ひかりの輪」代表)×木村文洋監督 トーク
『愛のゆくえ(仮)』は、「犯罪者を美化するな」「映画化など不謹慎」という一句のもとに、公開前からひどく叩かれた映画だった。観ていない作品の存在自体を否定する。映画にして考えること自体を否定する。あまりにそういう声が多い結
【Review】写真の深淵 ~亀山亮『AFRIKA』に寄せて~ text 丹羽理
まだペンキの匂い新しい白を基調としたギャラリーの壁に、亀山亮(かめやま りょう)氏が今回の写真展のために厳選した大伸ばしの写真25点がダイナミックに展示されていた。 亀山亮写真展『AFRIKA WAR JOURNAL』。
【Review】『さなぎ〜学校に行きたくない〜』(三浦淳子監督)text 中村のり子
南信州の豊かな自然の中を駆けめぐる一人の少女。まるで物語のようなシーンから、作り手と登場人物との交友録は始まる。はじめはどこか心許なく、感情の見えにくかった主人公・木下愛ちゃんが、年を重ねるごとにだんだんと頼もしい顔つき
【Monograph】地域映画と映像教育の文化史 第1回 藤川治水と熊本映画サークル運動(1)text 佐野亨
藤川治水と熊本映画サークル運動(1) 本稿は、2009年9月刊行の「シネリテラシー vol.1 映像文化の未来を考える」(日本映画学校監修・早美出版社)に掲載された文章に、2012年11月以降、加筆修正を施したものである
【Review】『このショットを見よ』フィルムアート社編集部編 text 村松健太郎
映画を構成する最小単位であるショット。そこに心血を注ぐ日本映画界を代表する監督29名が、自作を俎上に上げて計算に計算を重ねながらも起きる想定外、完全にして偶然の産物である“決定的ショット” との出会いや、製作プロセス・そ