【リレー連載】列島通信★山形発/今、なぜNDUか〜DDS2012「伝説の映画集団NDUと布川徹郎」に寄せて〜 text 畑あゆみ

「山形発」と銘打っているにも関わらず、初回から東京で行われたイベントについて書き記すのをお許し頂きたい。本サイトneoneo webでも開催前からPRさせて頂いていたドキュメンタリー・ドリーム・ショー 山形in東京(DD

【Report】 ゆふいん文化・記録映画祭 90年代「回想」の作品たち text 細見葉介

今年6月に行われたゆふいん文化・記録映画祭。15回目となるこの映画祭、過去3回の鑑賞経験からすると、「小規模」であり、かつ「安定」していることが特徴だ。会期3日間の上映会場は一カ所で、山形国際ドキュメンタリー映画祭と比べ

【Magazine】「neoneo」#01 創刊特集「さようならドキュメンタリー」

 neoneo #01(2012年Autumn) 創刊特集「さようならドキュメンタリー」 インタビュー:飴屋法水・石内都・石井光太論考:長谷正人・鈴木佳子・住友文彦    八角聡仁・萩野亮連載:金子遊 A4版68ページ 

【Review】監督と俳優のコミュニケーション術 なぜあの俳優は言うことを聞いてくれないのか text 神田映良

映画を観る、というと大抵はフィクション、つまり、誰かが書いた物語があり、それを演じる誰かがいて、それを誰かが映像化した、そんな映画の話だ。しかし考えてみれば、映画は基本的に、そこに在るものを視聴覚的に記録して作られるもの

【Review】DDS2012特集『テレビに挑戦した男・牛山純一』 text 吉田孝行

『テレビに挑戦した男・牛山純一』(畠山容平監督)は、牛山純一(1930〜1997)というかつてテレビ界で活躍したあるプロデューサーの軌跡と業績について、関係者22人のインタビューと彼が制作したドキュメンタリー番組の映像引

【Review】『放射線を浴びたX年後』に見る TVドキュメンタリーの映画化の意味 text水上賢治

まず始めに触れておくと、本作「放射線を浴びたX年後」は、今年1月に「NNNドキュメント」で全国放送された地方局・南海放送のTVドキュメンタリーの映画版だ。チラシに“TV放送されたものに新たな映像を加えた”と書かれているの

【リレー連載】ワールドワイドNOW★北京発/北京独立影像展の報告 text 中山大樹

  8月18日から26日まで、北京市郊外の宋荘にて第九回北京独立影像展が行われた。これは栗憲庭電影基金が開催してきた中国紀録片交流週(中国ドキュメンタリー映画祭)と北京独立電影展(北京インディペンデント映画祭)

【記録文学論④】『パウル・ツェラン詩文集』 text 中里勇太

8月、東日本大震災からもうすぐ1年半を迎えようとする南三陸町を訪れた。町内のいくつかのまちが震災時に津波でのみこまれた。仙台で生まれ、大学入学を機に東京へ出た僕にとって「南三陸」という地名にあまり馴染みはなかった。そこは

【Review】DDS2012特集 啓蒙から遠く離れて—『ある方法で』text 笠松勇輔  

本作は、キューバ革命政権が推進するハバナのスラム地区再生プロジェクトを通して、整備工・マリオと女教師・ヨランダという階級も学歴も異なる2人の出会いと、その行方を描いた物語、と要約できるだろうか。いや、正確に言えば、本作は

【Review】DDS2012特集『監獄と楽園』text 吉田未和

   2002年にバリ島で起きた爆弾テロ事件を題材にしたこの作品で、ダニエル・ルディ・ハリヤント監督は、刑務所に収監された実行犯、実行犯の家族、被害者の家族へのインタビューを通じ、テロリズムの問題に真っ正面から

【Interview】DDS2012特集 『密告者とその家族』 ルーシー・シャツ監督インタビュー text 萩野亮

残暑の厳しいなか、東京近郊のドキュメンタリーファンのみなさんは、きっと今日から東中野に通われていることでしょう。ポレポレ東中野では、いま「ドキュメンタリー・ドリーム・ショー2012 山形in東京」が開催されています。昨年

【Review】『嘘の色、本当の色 脚本家 荒井晴彦の仕事』 text 指田文夫

 荒井晴彦脚本の映画を最初に見たのは、1977年11月牛込文化での『続・レスビアンの世界・愛撫』『私のセックス白書・絶頂度』との曽根中生監督作品3本立ての『新宿乱れ町・いくまで待って』だった。新宿ゴールデン街の店で、内田

【Interview】『毎日がアルツハイマー』関口祐加監督インタビュー text 小林和貴

認知症の母の介護というともすれば重いテーマを、ユーモアたっぷりに描いて好評の映画『毎日がアルツハイマー』。監督の関口祐加は、オーストラリアでドキュメンタリーに出会い、映画監督としてのキャリアを積んできた、異色の履歴を持つ

【自作を語る】『さようならUR』 text 早川由美子

今回書く機会を頂いたので、自作「さようならUR」が、昨年の山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映され、新設された「スカパー!IDEHA賞」を頂いた後に起こった”できごと”について書きたい。 「さようならUR」はUR(旧住宅

【記録文学論③】『アメリカの黒人演説集』 text 中里勇太

  トニ・モリスン「ノーベル文学賞受賞演説」 (荒このみ編訳『アメリカの黒人演説集』所収)   Once apon a time———(むかしむかしのことでした……)    1970年に小説

【Review】「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」 ドキュメンタリー制作者だった自分から、被写体だったあの人へ text 坂部康二

  件名:ごぶさたでっす   奈良さん! ども。   横美の展覧会、拝見しました。 いや~っ、ヤバいっすね。とても、良かったです。 (・・・と、月並な感想しか言えない自分が恥ずかしいのですが

【自作を語る】ブルーノプロデュースvol.8『ラクト』 女優三人による座談会

ブルーノプロデュースによるドキュメンタリーシリーズ第4弾。真夏。打ち上げられた花火のゆくえを追って、少女たちは、導火線の燃えカスを辿り始める。三人の女優による、シリーズ初の会話劇。 ― |公演概要 2012年8月9日(木

【Interview】 『ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳』 長谷川三郎監督インタビュー text 若木康輔

広島の被爆者、安保闘争、三里塚、祝島、公害、昭和の戦争責任……そして福島。 報道写真家・福島菊次郎の生きざま。半世紀にわたって怒り、屈せず撮り続けてきた写真の凄み。それがどんなものか知りたければ、この映画である。 スタッ

【Interview】『相馬看花』ほか 松林要樹監督インタビュー text 小林和貴

震災と原発による強制退去・放射能汚染。様変わりした福島県・南相馬市に暮らす人々を追った『相馬看花』が話題の松林要樹監督。彼もまた、松江哲明、野本大、小野さやかといった数々の人材を輩出し、近年の日本ドキュメンタリー史を語る

【Review】 『AD(アシスタントディレクター)残酷物語―テレビ業界で見た悪夢』  葉山 宏孝著 text 細見葉介

暴力と不条理――制作現場からの強烈な告発  実経験を飾らない言葉で編み上げた、テレビ番組制作現場からの告発書である。制作論はこれまでに多く書かれているが、外注化が進む現代のテレビの労働現場の実情を書いた本は初めてではない

【Review】『ふるさとは奪われた~原発事故 双葉町の選択~』“棄民”―あなたはこの言葉を前にして何を考えるか text 水上賢治

ようやく自覚してくれたか――日本唯一の公共放送とされている渋谷の某局(※さらなる姿勢の改善を求めてあえてこう言わせてもらう)が本来の役割を少しずつ果たし始めている。東日本大震災という大事でようやく気づくのもいかがなものか

【自作を語る】『フクシマからの風』 text 加藤鉄

10年間の農的生活を打ち切って、私を再びカメラに向かわせたものは何だったのでしょうか。1995年から4年間、私は青森県六ケ所村に通い、核燃料の巨大施設に対峙し続けて一軒、 土地を売らず、稲を守り育てていた老人(小泉金吾さ