【ワールドワイドNOW ★ラテンアメリカ特別編②】アルゼンチンの映画祭事情 〜ドキュメンタリーを中心に〜  text 濱 治佳

 春頃、アルゼンチン、メキシコ、キューバでの文化庁の海外研修を終えて帰国した。編集部より滞在した1年間を総合的に振り返ってレポートしてほしいという依頼を受けたのだが、総合的に語ることの困難さを否めず、今回はアルゼンチンの

【Interview】「わが家の介護」を見せながら 映画として新たなチャレンジに挑むー『毎日がアルツハイマー2』関口祐加監督インタビュー

アルツハイマーの症状が現れた母親との日々を描いた、関口祐加監督のドキュメンタリー『毎日がアルツハイマー2〜関口監督、イギリスへ行く編』が、好評につき8/16からポレポレ東中野で再上映される。前作『毎日がアルツハイマー』同

【Interview】嘘のない感情を描くために演出を仕掛けた―『わたしたちに許された特別な時間の終わり』太田信吾監督インタビュー

8月16日よりポレポレ東中野を皮切りにロードショーが始まる映画の、監督インタビューです。監督は、岡田利規主催の「チェルフィッチュ」に参加する俳優でもある太田信吾。 2010年12月に、太田はずっと撮影していた高校の先輩で

【Review】孤独な背中、そしてそれを見つめる少女たちの想い――『DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?』 text 杉田卓也

|大島優子の予言 ……卒業はずっと考えていますね。もう19ぐらいからずっと考えています……。……5年後とか3年後にもし自分がAKBにいなかったとしても、グループとしては、ちゃんと残っていてほしいと凄く思います……。……だ

【Interview】母娘の物語からみえてくる、革命・人生・そして愛ーー『革命の子どもたち』シェーン・オサリバン監督インタビュー

公開中の映画『革命の子どもたち』(シェーン・オサリバン監督)は、日本赤軍の最高指導者・重信房子とバーダー・マインホフ・グループ(後のドイツ赤軍)の創設者のひとり、ウルリケ・マインホフというふたりの女性革命家を、重信メイと

【連載】ドキュメンタリストの眼⑨ 「パレスチナ映画とその社会」土井敏邦さんトーク

 土井敏邦さんは30年近く、中東情勢とりわけパレスチナを取材してきたジャーナリストである。2010年にその豊富な映像をフッテージを編集して、ドキュメンタリー映画の4部作『届かぬ声—パレスチナ・占領と生きる人々』を完成した

【Review】「生物」としての靖国への共鳴――大浦信行監督 『靖国・地霊・天皇』 text 若林良

この映画について、私は何を語るべきなのか。あるいは、何を語るべきではないのか。鑑賞後の私の中には、そのような問いがぐるぐると回った。恐らく、それはおのずと答えが出るという類のものではない。逆に言えば、おのずと答えが出ない

【ゲスト連載】Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論 #05「Neighbors(1) / Daydream/そこそこ楽しい故郷に生きる」 image/text 佐々木友輔

  Camera-Eye Myth : Episode. 5 Neighbors(1) / Daydream 朗読:菊地裕貴音楽:田中文久主題歌『さよならのうた』作詞・作曲:田中文久歌:植田裕子ヴァイオリン:秋

【Review】なにがなんでも人生を生き抜くこと――アレハンドロ・ホドロフスキー監督『リアリティのダンス』レビュー text UMMMI.

鬼才・ホドロフスキーが自らの家族をキャストに迎え家族の再生を描く新作様々なイメージで生み出される映画の世界に筆者が感じた喜びとは? これからの人生、なにがあっても生きることに決めた。なにがあっても、死ぬまで生きる、絶対に

【連載】ワカキコースケのDIG!聴くメンタリー 第4回『新日本プロレスの歴史 Vol.Ⅱ』

歴史はナレーションでつくられる 最近はすっかり減ったが、構成作家の仕事を始めてしばらくはスポーツものや歴史ものの番組やビデオを手掛けることが多く、ナレーションを書くのが楽しかった。 両ジャンルには、意外とあそべる要素があ

【Interview】人形に魂を込めることが、虐殺へのレジスタンスだった――『消えた画 クメール・ルージュの真実』 リティ・パニュ監督に聞く text 萩野亮

リティ・パニュ監督の最新作『消えた画 クメール・ルージュの真実』が7/5(土)より渋谷ユーロスペースで公開される。極左政党クメール・ルージュの時代に生を享け、フランスにおいて劇映画とドキュメンタリーの双方でキャリアを重ね

【Interview】劇映画だけでは撮れない人の魅力に気付く——『中国・日本 わたしの国』ちと瀬千比呂監督インタビュー

中国残留邦人の2世のパワフルな女性の個人史に光を当てる劇映画志望の監督がドキュメンタリーを撮って発見した魅力とは? 現在ユーロスペースで公開されている『中国・日本 わたしの国』。過去の歴史的なつながりや、最近の盛んな経済

【Interview】型破りな父 エドモンド・ヒラリーの偉業――『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』 ピーター・ヒラリーさん text 萩野亮

1953年5月、ニュージーランド出身の登山家エドモンド・ヒラリー卿が、テンジン・ノルゲイとエベレスト初登頂を遂げた。映画『ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂』は、俳優による再現映像や貴重な証言の数かずによ

【ワールドワイドNOW★ラテンアメリカ特別編①】ブラジルのインディペンデント・ドキュメンタリー集団を訪ねて text 松林要樹(映画監督) 

LENTE VIVA FILMSのメンバー左:グエルハム(ディレクター・プロデューサー)中央:マウリシオ(ディレクター)右:マルセイロ(プロデューサー) ブラジルにも「空族」がいた!『祭の馬』の松林要樹が見た ブラジルド

【Review】ワン・ビン定食/停滞の作家の現在地――『収容病棟』 text 舩橋淳

映画は時間の芸術、つまり時間を自由自在に操作し、それを引き延ばしたり、短縮したりする芸術表象である、と言われる。それは例えば夢に喩えられたり、またテオ・アンゲロプロスやダニエル・シュミットのように軽々と時空を超えて、異な

【ゲスト連載】Camera-Eye Myth/郊外映画の風景論 #04「Mothers(1)/Isotopia/イゾトピックな白壁の裏」 image/text 佐々木友輔

  Camera-Eye Myth : Episode. 4 Mothers(1) / Isotopia 朗読:菊地裕貴音楽:田中文久主題歌『さよならのうた』作詞・作曲:田中文久歌:植田裕子ヴァイオリン:秋山利奈 ― 郊

【Interview】小川プロの映画にはじめて“映像のアジア”を見た! 石坂健治さん(東京国際映画祭アジア部門ディレクター/日本映画大学教授)インタビュー

東京国際映画祭アジア部門ディレクターに聞く!今観るから面白い!小川プロ特集2014年のツボ 6月21日(土)から『小川プロダクション全作品特集上映』が渋谷・ユーロスペースで開催される。解散から20年、今なお繰り返し特集上

【Review】進化系・演劇――鵺的第8回公演『毒婦二景』 text 夏目深雪

鵺的の新作である『毒婦二景』は、「阿部定」をモチーフとした長編『定や、定』と『昭和十一年五月十八日の犯罪』2編の同時上演で成り立っている。『定や、定』では岡田あがさ、『昭和十一年…』ではハマカワフミエが阿部定を演じる。と

【Review】AVを利用しつつ映画やTVを超える広い世界 ~『劇場版テレクラキャノンボール2013』~ text 佐藤健人

「ヤルかヤラナイかの人生なら、俺はヤル人生を選ぶ」話題沸騰のセックスバトルドキュメント 熱烈ファンが押す太鼓判!   「テレクラキャノンボール」とは 2月に6日間だけ劇場公開された『劇場版テレクラキャノンボール

【Review】私生活を芸術にすることについて――生誕100年トーベ・ヤンソンの映画3部作によせて text 藤田修平

フィンランドという国の名前を聞いて、ムーミンを真っ先に思い浮かべる人も多いかもしれない。それだけ日本ではムーミンの人気は高いのだが、それは誰もが知るように1969年にトーベ・ヤンソンの(イラスト入り)童話を原作としたアニ

【Review】この一抹の違和感はどこから来るのか──佐々木俊尚著『簡単、なのに美味い! 家めしこそ、最高のごちそうである。』 text 三浦哲哉

|うまいにはちがいないのだろうけれど 手にとって読み始めれば、実践に裏打ちされた、リアルな料理書だということがわかる。現代日本社会について書かれた著者の本は読んでおり、どれも役に立つものだということを知っていたので、はじ

【Review】“人間”こそが持つおかしみ――ウディ・アレン監督『ブルージャスミン』 text 若林良

本作を観ながら、溝口健二の『祗園の姉妹』(1936)が私の脳裏をよぎった。義理人情に従順な姉と、封建的社会に批判的な妹。2人の対立を通して、男性本位で動く社会への批判が鋭く描かれる。山田五十鈴を中心とした役者の好演も相ま